第10章 下忍スタート
ひとしきり笑った火影様は、一度深呼吸をした後、徐に頭を下げた。
「さっきはすまんかったの。この通り、詫びをする。」
え、火影様が頭下げるの?
そう思っていたら、側近の一人も倣って頭を下げた。
「あ、いや…。そこまで大袈裟でなくとも。」
困ったのはスグルさん達だ。
あたふたとして、顔を上げてくれ、と頼んでいる。
「お前も頭を下げとけ。」
トウキに後頭部を掴まれたと思ったら、前に倒された。
「こちらもご無礼を致しました事お詫び致します。」
先生も私の隣で頭を下げる。
「ほら。」
ユウに背中をぽんぽんと叩かれた。
えー…、謝りたくないな。
そうは思ったけど、流れ的には謝る方が正しい。
「…すみませんでした。」
なんだかなー…、と思っていたら、
「失礼をしました。」
ダンゾウの部下の声が聞こえた。
嫌そうだけど、まぁいっか。
私も嫌々だからお互い様だしね。
「…して、先に言っていた話じゃが…。」
“毒物”が気になる感じ?
ま、そりゃそうか。
「昨日、思いついた事なんですが…。」
そう言って、私はシカクさんに見せたのと同じレポートをカバンから出して見せた。
それを火影様が手に取り、側近が覗き込む様に見始める。
「スグルさん達はムナの実を痺れ薬として使っています。それを瓶詰めして売ってはどうかと思いました。」
レポートにはムナの実とタヤの薬草の性能、効能、副作用などを記載してある。
更には、予想分布図も入れてある。