第10章 下忍スタート
「一通りの説明はナナホから聞いておる。木の葉の傘下に入るというのは真かの?」
火影様は単刀直入に切り出した。
「はい。その代わりに捕縛や厳罰は免除いただきたい。」
スグルさんの言葉に、火影様は腕を組んで少しの間目を瞑ると、また居住いを正した。
「…傘下に入るとなれば木の葉からの指令がそちらに行く事もあるだろう。それは承知かな?」
「あぁ、承知している。」
「良かろう。責任を覚悟の上での事ならば、こちらも快く迎えよう。」
その言葉に、後ろに控えていた側近の内、一人は頷き、もう一人は眉を顰めた。
あれ、賛否両論あったのかしら。
そう思っていたら眉を顰めた方が徐に口を開いた。
「…ヒルゼン様。何度も申し上げた通り、忍ではない者を傘下に置いたところで何の役に立ちましょう。」
足手まといときたか。
これは、二つ目の依頼を回してもらうって条件は厳しいか…?
「お前もくどいな。武力で忍に劣るというだけで足手まといと決めつけるは早計だと言った筈じゃ。力だけが全てとは限らん。」
「しかし…。」
「既に決めた事。ダンゾウにそう報告するが良い。」
うわぁ…。よりによってダンゾウの手先かよ。
「…承知いたしました。しかし、二つ目の件は承服致しかねます。里に来た依頼は里の物。他者へくれてやる道理はありません。」
ばっさり切られました。
交渉すら出来ない。
「そんな…!」
エイリさんからも険しい声が上がった。
「俺達は忍と比べれば劣るかもしれない。けれども地の利はある。負けるとも劣らない。それに傘下に入るんだ。少しくらいは仕事をくれてもいいのではないか?」
だが、スグルさんの言葉にも、ダンゾウの部下は鼻で笑い蔑んだ目を向ける。
「ここに依頼をしにやって来る者は、我らが忍だから頼るんだ。腕が確かだからだよ。それに何で俺達がお前ら荒くれ者の面倒を見なくちゃならないんだ?筋違いにも程がある。」
一理あるけど、言い方や態度が嫌だな。