第10章 下忍スタート
「他にもこれが良いだろう、みたいな物ってありますか?」
「いや、これが効かなきゃどうしようも出来ねぇからな。とりあえずはこれだけだ。」
よし、方針はこれで決まりだ。
「ありがとうございました。状況が変わったらまた相談に来ます。」
「人助けもいいが、余計な事に首突っ込むんじゃねぇぞ?」
「あっははは…。」
もう突っ込んだ後です、とは言いづらい。
が…、
「遅かったか。」
シカクさんは苦笑いする。
ばればれでした。
「まぁ…。けど、”情けは人の為ならず”とも言いますし。それに、巡り巡って里の為になる筈です。きっと!」
苦し紛れに言い訳すると、やれやれとため息つかれました。
「ほんとにお前は目を離せねぇ奴だな。」
程々にしとけ、と言いながら頭をくしゃっと撫でられた。
うちはとして色眼鏡で見る大人が多い中、ここの人達はみんなあったかいんだよね。
「気をつけます。」
私はこそばゆい気持ちを隠しつつ笑う。
「あ、そうだ!もう一個相談というか、考えてほしいことがあるですが。ちょっとこれを見てください。」
私は昨日思いついた事をレポートに纏めたものを出した。
「実はですね…」
私はシカクさんに説明し始めた。