第10章 下忍スタート
「で、今度は何だ?」
調剤室に入るなり、シカクさんから声がかかる。
「私事ですが、一昨日、下忍になりまして。その時に初任務があったんです。」
私は言いながら、リュックからマヤちゃんの容態を纏めたレポートを出してシカクさんに渡す。
「そりゃおめでとさん…って誰のだ、こりゃ。」
「その任務で病気の子と会いまして、容態を診たんです。診断は間違ってないと思うんですけど、出す薬が自信なくて…。」
「んで、俺んとこに来たってわけか。」
シカクさんは後ろ頭を掻きながらレポートをざっと見た。
「俺も医者じゃねぇから何とも言えねぇが、肺に効く薬っていやぁ、これとこれだな。」
そう言って出されたのはモントウとエッキ。
王道ですな。
「病院にも行ってきたんだろ?そっちはどうだった?」
「同じですね。この二つが良いだろうと。あと、滋養強壮に胡桃や桑葉はどうか、と。」
「胡桃は良いが、桑葉はまだ止した方が良いだろうな。」
「どうして?」
「桑葉は強いんだ。弱った奴が飲めば逆に体を壊すこともある。」
ふむふむ、成程。
「了解です。胡桃も様子見で少しずつ勧めてみます。」
「そうだな。その方が良いだろう。」
早速、メモメモ…。