第10章 下忍スタート
「医療忍者なのか…?」
後ろから小さな声が聞こえて振り向くと、縛り上げた盗賊達から揃ってガン見されてた。
今度はなんなん?
私が若干引いていると、
「頼む!助けてくれ!!」
頭と思しき人から、がばっと頭を下げられた。
「…え…?」
意味が分からない。
どういう事?
「何でお前らみたいなのを助けなきゃならないんだよ。」
私が戸惑っていると、トウキが代わりに私の前へ出た。
「そうだよ。お前らが怪我したのは自業自得だろ?何でそれをエニシが助けてやらなきゃならないんだよ。」
トウキに続く様にユウも前へ出る。
言ってる事は尤もだと私も思う。
盗賊達もそう思うのか、彼らは一様に顔を背けた。
けど、頭だけは怯む事なく真っ直ぐに私を見る。
「恥は承知だ。それでも俺はあの子が助かるなら何でもする。頼む!」
そう言って尚も頭を下げた。
それを見たトウキとユウは怒りを顕にして口を開いた。
「お前っ…!」
「何言ってんだよ!」
ずんずんと彼らの方へ歩いて行こうとするのを見て、私は慌てて二人を止めようと腕を掴んだ。
「ちょ、ちょ、ちょっと!ちょっと待って。」
「「何だよ!?」」
相変わらず息ぴったりだね。怒ると顔が似るんだわ、この二人。
まぁ、それは置いといて。