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もう一度、を叶えるために。first

第10章 下忍スタート



「それ、いつの話だよ?っていうか、それやったのトウキだろ?俺じゃないし。」

言いながらトウキを見ると、トウキはすっと目を逸らす。

「そうだっけ?忘れたな。」

「あ、きたねぇぞ!」

「で、いつやるんだ?」

「話し逸らすなよ。」

「まぁ、エニシと勝負になったらユウにはちょっとキツいよな。なんせ、写輪眼持ちだし。」

トウキが呑気に言うけど…。

「っていうか、元はと言えばあんたが発端だよね。」

言い出しっぺでしょーが。

「え、俺?いやいや、俺関係ないし。」

トウキはすまし顔で首を横に振る。
それを聞いた私は半眼でトウキを見遣った。

「あんたが紛らわしい事言うからこういう話になったんじゃん?」

納得いかないわ〜。

「なぁなぁ。どうでもいいけど、これ治してくれないか?」

「どうでもいいんかい。」

なんだよ。いいのかよ。

ユウは自分の服の腕を抜いて、私の前に差し出して見せた。

「あれ、怪我してるじゃん。」

腕には刃物で切られた様な大きめの傷がある。
痛そう…。

私は両手を翳して手の平にチャクラを集めた。
傷は見た目よりも浅いみたいで割とすぐに塞ぐことが出来た。
うん、上出来上出来。

「…ほんと、医療忍術って重宝するよな。」

ユウは治った腕を動かしつつ言う。

「だな。歩く救急箱だよな。」

「箱言うな。私人間よ?」

トウキの言い様に私が突っ込むと、ユウは笑う。

「里にいる時はあんまりピンとこなかったけどさ、こうして外に出ると有り難みがよく分かるよな。」

「ほんと、エニシが医療忍術やってて良かったよな。」

ユウとトウキはお互いに少し笑ってから、

「「ありがたや〜。」」

と言いながら拝んだ。

「なんなん?さっきから。っていうか拝むな。私は仏像か。」

人間扱いしてくれよ、まったくもう。

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