第10章 下忍スタート
次は俺な、と言って、ユウが居住まいを正した。
「俺の名前は、出雲ユウ。好きな物は唐揚げ。嫌いな物は甘い物。」
女の子みたいな可愛い顔してるのに。
人は見かけによらないものだ。
「へぇ。意外だね。」
私がそう言うと、ユウは何故か凄く嫌そうな顔をし、トウキは吹き出して顔を背けた。
「女の子みたいなのに、とか言うなよ?」
本気で嫌そうに言うユウの様子に、私はすっと顔を背けた。
わぁ…、コンプレックスだったのね。
「お、思ってない、よ?」
「嘘が下手!」
ば、バレてる。
「いやいや、ほんとに。可愛い顔立ちだな、とか思ってないって。」
宥める様に取り繕うと、隣のトウキは益々腹を抱えた。
え?何で?
「語るに落ちてんだよ!俺が可愛いなんていつ言った!?」
「あ、やべっ。」
つい、うっかり。…てへ☆
「その顔ムカつくんだよ!」
「まぁまぁ。顔の事は諦めろ。不細工よりかはいいだろ?」
トウキが半笑いで止めに入るが、いかせん説得力がない。
「お前も笑ってんじゃねぇか!」
私もそう思う。