第10章 下忍スタート
「えぇ?じゃ、先生達も知ってるのかな?」
だとすると、無断で授業抜け出した事にならない?
それってお叱りを受けそうな案件だけど。
まさかね?と思ったら…。
「先生も知ってるぞ。」
「うそん…。」
トウキの言葉に二の句が継げない中、今までのあれやこれやが頭の中を横切る。
「まぁ、別に授業をサボってるわけじゃないし。読んでる本が医学書だしな。」
「医療忍者が少ない事もあって、校則違反だけど目指すなら黙認するって感じだったぞ。」
トウキとユウが代わる代わる知らなかった真実を話していく。
えぇ〜…。
全てが初耳なんですけど。
てっきり誰にも知られてないとばっかり思ってたよ。
お叱りを受けなかったのは有り難いんだけど…。
「…それさ、生徒指導の面で大丈夫なの?」
いいんですか、先生。
思わず呟いたら、二人は呆れ顔を浮かべて私を見た。
「「お前が言うなよ。」」
張本人だろうが、とトウキからは付け足されてしまった。
「あははっ。君達面白いね。」
先生は少し笑っていた。
なんだか、大人しそうな穏やかな人だな。