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もう一度、を叶えるために。first

第2章 これからどうしよう



その疑問が顔に出ていたのか、兄ちゃんは困った様に笑った。

「人の意思や流れは一人の力ではどうにも出来ないんだ。心を変える事はとても難しい。」

兄ちゃんはそう言って悲し気に笑う。
ってことはもう、この頃からクーデターが始まってるって事?

「それって…。」

「まだ決まったわけじゃないけどな。」

それを聞いて確信する。
多分、一族全滅は免れない運命なのだろうと。
そしたら…。そしたら、その後私は…?

「一族全滅の阻止を最後の目標にするな。その後を考えろ。」

その言葉に私は記憶の中の物語をなぞっていく。

イタチとサスケの確執。

サスケの里抜け。

サスケとイタチの殺し合い…。

そして、穢土転生として甦ったイタチ。

兄弟の会話とイタチの悔恨。

そういえば、昼間、気がつく前に聞いた声。
もう一度、時を巻き戻したいって、言ってた。
サスケの傍に居たいって、そう言ってた。

私は…。

「サスケとイタチの兄弟喧嘩を止めたい。あの殺し合いは不毛過ぎるから。」

イタチがもう一度を願うなら、私がそのもう一度を作る。
あの物語を書き換える。

「いいんじゃないか?」

兄ちゃんは私を優しそうに見ていた。
と思ったら、きりっと真剣な顔になる。

「その目標を絶対忘れるなよ。何が何でも叶えろ。」

きっと、サスケもイタチも一筋縄ではいかないんだろう。
そうなれば、覚悟して臨まなきゃならない。

「分かった。」


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