第2章 これからどうしよう
私は俯いた。
「…出来ることってないのかな。」
九尾の難癖がなければ、或いはうちはも里に溶け込めたのかもしれないのに。
多分、疑いをかけられた事自体が、うちはの誇りを傷つけられたんじゃないかな、って思う。
そう思う人が多分、沢山いるんだ。
兄ちゃんは私の頭を撫でた。
「今は…そうだな。九尾の件は、もうどうにもならないだろうな。」
「…私は、どうすればいい…?」
あまりの無力さにぎゅっと手を握り込んだ。
知ってるのに何も出来ないのは、凄く歯痒い。
「エニシはどうしたい?」
逆に問いかけられた。
どうしたい、って…。そんなの…。
「一族全滅を阻止したい。」
兄ちゃんも、母さんも、父さんも、みんなみんな死ぬって分かってて、それをただ見てるだけとか嫌過ぎる。
私だって寿命のカウントダウンなんてしたくない。
「そうか…。だが、止められなかったら?」
「止められなかったら…?」
私は、ゆるゆると顔を上げた。
もう、どうにも出来ないのだろうか?
今からでも?