第9章 まだ学生でいたいんですが。
そんなこんなであっという間に半年が過ぎたある日。
私とトウキとユウが職員室に呼び出された。
なんだなんだ、と思って行ってみたら…。
「お前ら三人、特に成績が良いからな。飛び級が認められて卒業試験を受けさせる事になった。」
突然、降って沸いた飛び級の話に私は目を点にする。
「…え?」
…聞いてないし。
そもそも、頼んでないし。
「今日の午後には筆記試験に入るからな。準備しとけよ。」
担任は言いたい事だけ言うと、くるりと背を向けた。
…いやいやいや!
私の意向は無視ですか!?
そう思って断ろうと口を開いた瞬間、隣からがしっと肩を掴まれて止められた。
「え、えぇ…?」
そっちを見ると、何とも形容し難い怖い顔をしたトウキと目が合った。
「棄権はなしな。」
「いや、だから…」
「手ぇ抜くんじゃねぇぞ?」
怖い満面の笑顔で肩をぐっと掴まれた。
有無を言わさないその圧に、私は気圧されてしまう。
「は、はい…。」
こうして、私の弾丸スケジュールは突然にして終わりを迎えてしまった。