第8章 宝の持ち腐れ…は、まずいよね
「時々なるんだ。すぐに治るから大丈夫だ。」
「時々って…。そんなになるなんて時々でも変だよ。ちゃんと診てもらった方がいいよ。」
私の言葉にもイタチは耳を貸さなかった。
「言いたくない。煩わせたくないんだ。」
「なんで…。」
何でそんなに頑なに拒むの?
「きっと心配するよ?イタチの事大事に思ってる。」
ミコトさんだって、サスケと同じ位イタチを大事に思ってるよ、きっと。
「だからこそだ。」
そう言ってから、本当に痛みが引いたのか、大きく息をつくとすっと姿勢を正した。
いつも通りの無表情で私を正視する。
「すぐに治る事なら少し我慢すればいい。」
私はそれを聞いて大きく息をついた。
それでいいのか?本当に。
「…言わないのね?」
「あぁ。お前も言うなよ?」
私はがしがしと乱暴に後ろ頭を掻くと、頷いた。
「言わないよ。でも、限界を超える痛みがあったらちゃんと大人に言って。そんな風に痛くなる事は変だって覚えておいて。」
言っても我慢しちゃうんだろうな、と思いながら私はイタチに小指を差し出した。
「やくそく。」
イタチはそれを見て微苦笑を浮かべてから、私の指に自身の小指を絡めた。
「約束する。」