第8章 宝の持ち腐れ…は、まずいよね
さてと、お茶もいただいた事だし。
そろそろ帰るべ。
「ご馳走様でした。」
「帰るのか。」
「まぁね。」
イタチの問いに少し笑って答えてから、使った茶碗を台所へ運ぶ。
「ご馳走様でした。」
「あらあら、置いといてくれればいいのに。ありがとう。」
ミコトさんは言いながら少し笑う。
「いえいえ、大丈夫です。…また色々聞きに来てもいいですか?」
「勿論よ。またいらっしゃい。」
「ありがとう!」
やったぁ〜!
「じゃ、今日はお暇します。お邪魔しました。」
私がるんるんで挨拶をすると、ミコトさんはふふっと可笑しそうに笑った。
「気をつけてね。」
それに手を振って答えてから台所を出ると、イタチが背中を向けて座っていた。
その様子が何処となく不自然に強張って見えて、イタチの正面に回ってみた。
そしたら、
「…どうしたの?」
お腹を抑えて蹲っていた。
少し辛そうにも見える。
どういうこと?
「お腹痛い?」
私の問いに、イタチは首を横に振る。
いや、嘘でしょ。
「ミコトさん呼んでくる。」
絶対知らせた方がいい。
そう思ったんだけど、
「ダメだ。知らせるな。」
手を引かれて止められた。
何で?そんな辛そうにしてて大丈夫じゃないじゃん。