第8章 宝の持ち腐れ…は、まずいよね
暫くして、ごめんください、と玄関で声がかかった。
「あら、誰かしら。ちょっとサスケを見ててくれる?」
ミコトさんはそう言ってサスケを私に預けて、パタパタパタ、と行ってしまった。
どうしよう。
私は困りながらもサスケに両手を伸ばしてみる。
が、彼は途端に泣きそうに顔を歪めてしまう。
私は慌てて手を引っ込めた。
すると、不安そうにしながらも、また元の顔立ちで私を見上げてくる。
う〜ん…。
人見知りか?
こんな時は…。
「歌でも歌ってみるか…。」
歌えるかな。
何年振りだろ。
ということで、童謡を幾つか歌ってみる事にした。