第8章 宝の持ち腐れ…は、まずいよね
ここ最近、休みの日になると、どちらともなくトウキと修行する様になった。
相手の実力が拮抗しているせいもあってか、写輪眼は徐々に精度が増している。
トウキも石を当てるのを慣れたせいなのか、際どい所に当てて来る事が多々あり、それもいい訓練になっている。
そもそも、なぜにトウキは私の修行に付き合ってくれているのだろうか。すっごい謎だ。
面倒じゃないのかな、と思って聞いてみたら、
『これやり始めて、クナイの精度が上がったんだ。俺にもメリットあるから全然苦じゃねぇよ。』
と、返ってきた。
まぁ、助かってるからいいんだけど。
そんなこんなで、修行は順調に進んではいるんだけど、写輪眼についての情報は全く集まらない。
私が最も知りたい開眼のコツとか。幻術とか。
兄ちゃんはどうも教えてくれる気がないらしいからね。
「う〜ん…。」
手詰まりだ。
文献とかがあればまだ色々調べようもあるのに、一子相伝みたいに人から人へ教えていくみたい。
あとは感覚として自然と分かる事が儘あるみたいだし。
「どうしたらいいんでしょ。」
私は居間で寝そべりながら呟いた。
すると、母さんが上から覗き込んできた。
「そんなに知りたいなら、ミコトさんを訪ねてみたら?」
母さんから助け船が出た。