第2章 これからどうしよう
「うちはのこれからの事を知ってるのはね、前の世界で物語として見たからなの。」
「物語?」
「うん。NARUTOっていう物語として、うちはの事が絵巻物みたいに描かれてた。」
「…それがこれか?」
兄ちゃんはノートをトントンと指で叩いた。
「うん。大分前に見た漫画だから記憶があやふやで…。思い出せる限り思い出して書いとこうと思ったの。」
そう言うと、兄ちゃんは再びノートを手に取ってぱらぱらと捲り始める。
「…うちはのことはあまり覚えていないのか?」
「うちはのことってあんまり描かれてないんだ。主人公じゃないから。」
「うちはが主人公じゃないのか。じゃあ誰が主人公なんだ?」
兄ちゃんは残念そうに聞く。
主人公になりたかったのかな…?
「…うずまきナルトって子。生まれた時に九尾を封印された子で、ミナトさんとクシナさんの子供だよ。」
兄ちゃんはそれを聞いて息を呑んだ。
まぁ、そうなるよな。
九尾は今、クシナさんの中にいて出て来てはいない。
それが無理矢理引っ張り出され、暴走を止められず、やむなくナルトに封印したんだもんね。
そして、九尾の暴走はうちはの運命も大きく変える。