第8章 宝の持ち腐れ…は、まずいよね
そして、一時間後…。
「…な、なにこれ。なんの…しゅぎょう…?」
私は息も絶え絶えに兄ちゃんに問いかける。
「動体視力の向上に決まってるだろ。ほら休んでる暇ないぞ。俺はこの後イタチと約束があるんだから、あいつが来るまでだからな〜。」
聞いてないし。
今日色々と教えてくれるんじゃないんかい。
「もう一回行くぞ〜。」
そう言って、再び小石の雨を浴びせられた。
これを全て避けきろとか鬼か!!
「ぐっ…!」
私は写輪眼でひたすら見切っては避け、叩き落としを繰り返す。
「写輪眼の訓練か。」
「随分と過酷な…。」
「お、来たな。…と、そっちは確か…。」
「トウキです。エニシと同じクラスの。」
なんて会話が聞こえ、びっくりして写輪眼が引っ込んだ。
その瞬間、
「いた!いたたた!痛い!」
小石の雨がもろに直撃した。
「…ったく、あいつは。」
兄ちゃんの小言をよそに声の方を向くと、イタチとトウキだった。
イタチは分かる。兄ちゃんと約束してるって言ってたし。この場所もよく使ってるし。
でも何で、
「何でトウキがいるの!?」
「いや、お前んち行ったらここだっておばさんが教えてくれたから。それに途中でイタチに会って…。」
そう言って彼は隣のイタチに目を向けた。
「俺がここに案内した。エニシの所に行くと言ったからな。俺もシスイに用がある。」
そうか…。
そういえば、この人は修行してるとこ見られても何とも思わない人だった…。
「そうなんだ…。」
私は肩を落とすより他なかった。
イタチはそんな私を不思議そうに眺めた。