第7章 あっという間に卒業です
私は態とにっこりと満面の笑みを浮かべた。
すると、ざわざわとまた騒めき立つ。
「お前さ、親から何を教わってるの?人様のものは気に入らなければ進んで壊しましょうとでも言われてるの?どんな非常識人間だよ。とても同じ里の人の教育とは思えないわ。」
思っ切り嫌味を言ったら、そいつは何とも言えない顔で黙り込んだ。心なしか恐怖も見て取れる。
怖いと思うならはじめっから言わなきゃいいのに。何でそれが分からないんだろう。
私は、すっと笑顔を引っ込めると、思いっきり睨みつけた。
「お前のクラスと名前を言えよ。担任を通して親に直談判してやる。」
私が言った途端、そいつは脱兎の如く逃げ出した。
あっという間過ぎて砂をかける余裕もなかった。
ふぅ、と息を吐いて気を鎮める。
くらっと来るけど前ほどじゃなかった。
日本で培った19年分の記憶は伊達じゃないな、なんて我ながら思う。
武力では劣るけど論争においては日本の方が遥かに勝るよね。