第7章 あっという間に卒業です
「兄のアリバイにまだ不審がありますか?」
私が言うと、そいつは何を思ったのか報告書を破り始めた。
「お前!いい加減にしろよ!!」
トウキが我慢できなかったらしい。
私も我慢が限界に達しそう。
「こんな物!何の証明にもなりやしない!!」
散り散りに破ったそれを私に叩きつける様に投げ捨てた。
こいつどこまでふざけた野郎なんだろう。
「影分身を使えばどうとでもできるだろう!下忍の任務など高が知れている!そっちに影分身を回せば…」
「これから九尾と対峙しようって人が影分身を使って任務を熟そうって?馬鹿じゃないの?」
私は破り捨てられたそれの一部を拾い上げた。
「影分身を一日中持たせようと思ったら、チャクラを半分に近い割合で割かなきゃ、何かあった時には対処できないだろうね。その状態で九尾を操ったの?凄いね、それ。超人じゃん。」
「……!」
そいつは私の目を見て息を呑む。
写輪眼が手出るんだろうな。景色の色が変わってるし。
「うちの兄はそんな化け物じみたチャクラなんかもってやしないよ。そんなん持ってたら今頃もっと凄い技身につけてとっくに上忍にでもなってるだろうさ。
でも実際には、万華鏡持ってたって上忍には及ばないから下忍なんでしょ。推理すりゃあ誰だって理解できると思うけど?」
「くっ…!」
私の言葉に言う事が無かったのか、刺激しちゃまずいと思ったのか、言葉を詰まらせた。