第7章 あっという間に卒業です
「…確かに万華鏡写輪眼を持つ、もう一人のうちはは私の兄ですが。」
「やっぱりな!正直に言ったらどうなんだよ。兄貴が犯人ですって!」
「お断りします。」
私が即座に断ると、その子はにたりと嫌な笑顔を浮かべた。
本当に同じ子供なんだろうかって疑問が湧くくらい嫌な顔だ。
私は内心のむかむかを抑えて見ていると、その子はくるりと私に背を向けた。
「やっぱりこいつは庇い立てしてるんだ!こんなくだらない演説なんて、所詮は詭弁だったって事さ!」
集まっている人に私の悪印象を植え付けようとするかの様な悪意を感じる。
「お前、どこのどいつだよ!何の根拠があってエニシを貶めるんだ!!」
怒ったトウキが怒鳴りつけると、その子は大袈裟なくらいに肩を震わせて嘲笑を浮かべながら私達を見た。
「ほらな。怒るって事は当たってるって事だろ?やっぱりお前の言ってる事嘘なんだろ?」
「何だと!?」
私は、食ってかかろうとするトウキの腕を取り、止めた。
「何で止めるんだよ。お前、こんだけ言われっぱなしで悔しくないのか!?」
トウキは怒りの形相で私に詰め寄った。
が、私がやられてやられっぱなしなわけないじゃん。
「言い返さないなんて言ってないよ?」
「はあ!?」
「はいこれ、持ってて。」
そう言って、持っていたビラをトウキに押し付けた。
「おまっ…!」
焦るトウキを横目に私はその子に向き直る。