第7章 あっという間に卒業です
その夜、私は机に座り、昼間の事を悶々と思い出していた。
『お前の様な小者が何をやったところで何も変わりはしない。』
『世間知らずという言葉がお前にはよく合っているな。』
『お前の様な者が木の葉の平和を乱すのだ。悪戯に不安の芽を撒き散らす様な真似はよせ。そんな事をする暇があるのなら、さっさと身内に罪を告白するよう促したらどうだ?』
言いたい放題言ってくれるよね、ほんと。
自分の事棚に上げてよく平和だなんだと言えたもんだよ。お前にだけは言われたくないわ。
あの分厚い面の皮ひん剥いて公衆の面前に晒せたら、さぞかし面白いだろうね。
「…はぁぁぁぁ…。」
大人だったら酒でも呑みたいくらい。
「…トラブルか?」
「どわっ!」
いきなり頭の上から声がして、椅子ごとひっくり返りそうになったけど、頭を支えられてそれは免れた。
見上げると、兄ちゃんだった。
「お前は…。で、何なんだ。さっきからため息ついて。」
いつから見てたんだろうね?
最早、お決まりのパターンと化してきたな…。
「あー…、いや、実は…」
私は、重い口を開いて昼間の事を話して聞かせた。