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もう一度、を叶えるために。first

第6章 偉人のまねをしてみましょう



「…何の話だ?」

イタチが怪訝そうに話に入ると、兄ちゃんは微苦笑を浮かべて彼を見る。

「俺が万華鏡開眼してるだろ?それを知ってるのはうちは一族の極一部のみだ。けどエニシが、呼びかけをする事で俺の情報が漏れて糾弾されるかもしれないって言ってな。
それで、九尾事件前後の俺の任務記録の控えをもらって来れないか、って言われたんだ。」

「可能性は十分にあると思うよ。」

兄ちゃんは困った様に言うが、この事をダンゾウが知らない筈ないと思う。
あいつはうちは一族の写輪眼を狙ってる。
サスケとの闘いで万華鏡を持ってた。あれは多分兄ちゃんの目だ。
だったら最初から兄ちゃんは目をつけられてても可笑しくないし、何だったらどうやって合法的に兄ちゃんを殺すか考えてても不思議じゃないないと思う。

だったら、守れる手段は少しでも持っておきたい。
私が動かそうとしてるのは、言うなれば人々の印象。それには決定的証拠でなくても、限りなく白に近い方が心象はいい筈だ。

「もし、糾弾されたとしたなら、十中八九暗部が木の葉の人を扇動する為に兄ちゃんを槍玉に上げると思う。うちはが兄ちゃんの情報漏らすとは考えにくいし。
“どんな人”でも、私が気に入らないってだけで、うちは全体の不利になる様な事は言わない気がする。」

そう、例えば血気の多そうな側近のヤシロさんとかイナビさんとか。
クーデターの口実に使う為だとしても、大々的にしてしまえば、後々首を絞めるのはうちは一族。子供でも分かりそうな分別をあの人達だって持ってるはず。

「何故暗部だと思うんだ?」

イタチは訝しげに私を見た。
でも、まさか前世の事を言うわけにもいかない。
だから、私は言い切る事にする。
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