第6章 偉人のまねをしてみましょう
「でも、現実問題、うちは一族で万華鏡開眼してるのなんて、イタチのお父さんと兄ちゃんしかいないよ?」
私が言うと、何故かイタチが目を見開いた。
次いで、そのまま兄ちゃんを見る。
「シスイ、本当なのか?」
「…まぁな。」
あれ?
「兄ちゃん話してなかったの?」
「やたら話すものでもないだろ?」
そう言って兄ちゃんは困った様に笑った。
「やだ、言っといてよ。ぽろっと言っちまったよ。」
私が困った様に言うと、兄ちゃんは苦笑しながらくりくりと私の頭を撫でた。
「いいさ。イタチには話しておこうと思ってたからな。」
「俺が聞いていいのか…?」
イタチが少し不安気に兄ちゃんを見て言うと、兄ちゃんは頷いた。
「お前は友達だからな。」
そう言って、朗らかに笑った。
「そうなるとさ、うちは一族に犯人がいるとするなら、もうフガクさんか兄ちゃんしかいなくなるわけ。他の人に可能だとは思えないし。」
「…確かにな。」
イタチは難しい顔をする。
「でも、フガクさんはその日は警務部隊の執務室で篭もりっきりになってたのは確認したし、兄ちゃんもその日一日中任務で、事件があった時刻の少し前に帰ってきて、私と一緒に九尾出現を見てる。
そもそも、年齢的に万華鏡使いこなせる歳かも疑わしいし。」
「おい。」
兄ちゃんが半眼で見るのを無視して、私は話を続ける。
「まぁ、影分身出してるんじゃないのかって言われたらそれまでだけど、九尾を引き摺りだそうって計画してる人が他の術にかまけてる余裕あるかな?って疑問はあるし。
更に言えば、犯人が仮にフガクさんだった場合、街のど真ん中に九尾を召喚した動機や意味って何?」
「動機?」
イタチが怪訝な顔をする。