第6章 偉人のまねをしてみましょう
「しかし、よくここまで調べたな。」
イタチが私のビラをしげしげと眺める。
「色々聞き回ったからね。時々塩撒かれたりした事もあったけど。
病院に行ったら割と情報が集まりやすかったかな。」
街での聞き込みでは、九尾事件を引き摺ってる人が多いのか、白い目で見られる事が多かった。
「塩撒かれたなんて話は初めて聞いたぞ。」
「一回だけだって。街に聞き込み行った時だけだし。」
兄ちゃんがジト目で見るのを、誤魔化し笑いで躱す。
「…なぁ。本当に里の外にいるうちはの人間の仕業だと思うか?」
イタチがビラの最後の方を見ながら言う。
犯人はマダラだ。
正確にはマダラのふりをしているカカシ先生の友達。名前忘れたけど。
けど、今言うのは障りがある気がする。
兄ちゃんには包み隠さず言えるけど、イタチには何となく言えない。
私は兄ちゃんをちらっと見遣り、口を開く。
「…有り得ない話じゃないと思う。でないと、説明つかないし。万華鏡写輪眼を開眼出来る程の実力ないと、九尾に幻術かけるなんて無理だし。チャクラ量なら里随一だったうずまきクシナさんから九尾を引き出したんだよ?相当な手練れでしょ。」
実際には、奴は既に万華鏡写輪眼は開眼してるし、本物のマダラから輪廻眼を移植されてるから、うちは最強である事は間違いなしだ。
「…俺はどうにも信じられないな。」
イタチは考え込む。
私と兄ちゃんは互いの顔を見合わせた。