第6章 偉人のまねをしてみましょう
私は作ったビラを一枚取って、一番前に陣取ってるそいつに突き付けた。
「私は、本当にうちは一族が関わっているのかいないのかの疑問を私なりに調べました。」
そう言うと、そいつは怪訝そうにしながらビラを手に取る。
「当時、九尾と戦った人の何人かに話を聞くことができ、当時の様子を確認しました。
確かに現れた当初、九尾の目には写輪眼が浮かんでいたそうです。
つまり、九尾は何者かに写輪眼の幻術の類で操られていた可能性がある。」
私の言葉に、上級生達が意地悪そうな表情を浮かべた。
「そらみろ!!」
「ですが!そもそも、写輪眼を以って九尾を操るには、写輪眼を極限まで使いこなさなければ不可能です!」
この言葉に、上級生達がムッとする。
「それこそ何でそう言い切れる!」
「ただ開眼しただけの写輪眼だと、ただの模様でしかないからです。
そもそも写輪眼の初歩的な使い道としては、動体視力の向上です。それに慣れて来たら瞳術を使った幻術が代表的ですが、写輪眼は開眼するだけでも莫大なチャクラを消費します。
慣れて来たらなんて、今簡単に言いましたけど、写輪眼を体に慣らすだけでも相当な苦労があるんです。
それなのに九尾を操るなんてとんでもない芸当がどうして出来ましょう?」
「だからって九尾を操れない奴がいない理由にはならない。」
「確かに、可能な人はいるにはいます。
万華鏡写輪眼を開眼出来た人には可能かもしれません。」
「ほら、やっぱりいるんじゃないか。」
また、上級生達が意地悪そうな顔をする。
性格悪いわぁ。
「そうですね。それは、うちはの長であるフガクさんです。
ただし、フガクさんが万華鏡写輪眼を開眼したのは九尾事件の後。
さらに言えば、フガクさんは事件が起きた時刻は刑務部隊の執務室にいたし、その日はずっと執務室での仕事に付きっきりだった。
つまり、唯一の可能性がある人の犯行は不可能です。」
「影分身かもしれないじゃないか。」
言うと思った。