第6章 偉人のまねをしてみましょう
イズミちゃんを見ると、ぽかんとしながら私達のやり取りを見ていた。
はは…。そんな反応したくもなるよねぇ。
「まぁ、害はないから一緒にいても大丈夫だよ。」
「人を猛獣みたいに言うな!」
間髪入れずにツッコミが入る。
ったく。漫才やってんじゃないんだぞ。
「分かったってば。少し落ち着こうよ。
で。この子は、うちはイズミちゃん。一族の子だよ。」
私が紹介すると、トウキはイズミちゃんに目を向ける。
「…お前、この前うちはイタチを庇った奴だろ?」
トウキがそう言うと、イズミちゃんは目を丸くする。
ストレートに言うなぁ。
「あー…。実は私達もあの場にいたんだ。」
私がそう言うと、彼女は益々目を丸くする。
「かっこよかったよね、イズミちゃん。」
ぶすっとしたままのトウキを横目に、にっと笑ってそう言うと、イズミちゃんは少し顔を赤くして俯いた。
「あれがきっかけで、これやろうって思いついたの。」
私だって言いたい事言いたかったってのもあるけどね。
私がそう言うと、イズミちゃんは再び顔を上げてまじまじと見た後、少し困った様に笑った。
「さて、二人には存分に協力してもらう事にしましょうか。」
そう言うと、トウキとイズミちゃんは朗らかな笑顔を見せた。
「おう。」
「もちろん。」
味方が増えるって案外嬉しいものだなぁ、なんてしみじみ思ってしまった。
それだけでも、やって良かったかも。
「よし!じゃ、始めよう。」
私達はそれぞれ、小道具を持ちはじめた。