第6章 偉人のまねをしてみましょう
一、二時間の間に、校門は閑散としてきた。
殆どの人が下校したのだろう。こうなると、もう誰も話を聞く者がいない。いても帰る事に忙しく、こちらには目も向けない。
「今日はこんなもんかな…。」
私の呟きで、イズミちゃんがプラカードを下ろす。
「誰も賛成してくれる人はいませんでしたね…。」
彼女は、しょんぼりと肩を落とした。
まぁ、初めから賛成!なんて人がいたら逆にびっくりするかも。
だって、そんな人がいたなら、ここまでうちはが除け者にはされてないと思うから。
私はイズミちゃんの肩をぽんぽんと叩く。
「こんなもんだよ、初日だしね。さて、日が落ちてきたし、また明日にしよう。」
私がそう言うと、彼女はこくりと頷いた。