• テキストサイズ

もう一度、を叶えるために。first

第6章 偉人のまねをしてみましょう




「何だ、なんか訳の分かんない事始めたぞ!」

「落ちこぼれのくせに!」

声の方をちらりと見るとトウキとその仲間達だった。

「何だこれ?写輪眼の絵か?こわ〜!」

「目だけ描くなんて気持ちわりぃ!」

ゲラゲラゲラと嫌な笑いが辺りに響く。

私は全部無視して演説を続けた。
こいつらはどうせ聞きやしないのだ。
だったら、構うだけ時間の無駄というもの。

「どうか、うちはの現状を知ってください!お願いします!」

私の呼びかけを取り巻き達が指さして笑う中、意外や意外、トウキは黙って私の言葉を聞き、黙ってビラを手にして目を通す。

「トウキ…?」

さすがに異様に映ったのか、仲間の一人が心配そうにトウキに声をかける。
だが、彼は黙ってその場を立ち去ってしまう。

「ちょっ…!待てって!トウキ!」

取り巻きの一人が慌てて彼の後を追い、釣られた様に取り巻きが一人残らず立ち去った。

私とイズミちゃんは黙って顔を見合わせる。

「…何だったんでしょう?」

「さぁ…。」

私は首を傾げながらトウキ達が去って行った方向を見遣る。

訳分かんないんだけど。
結局、何しに来たんだろう?あいつら。

「…まぁ、いなくなってくれて良かったよ。イズミちゃんは平気?これからあんな事しょっちゅうあるかもよ?」

私が問うと、イズミちゃんは真っ直ぐ私を見返した。

「大丈夫です。私でもこういう事なら出来るから。だからやりたいです。」

…意外に根性ある子だな。
同じ一族にこういうド根性精神の子がいた事が嬉しくなる。
だって、ド根性と言えばナルトを思い出すじゃん?
だからこういう子って好きだなぁ、私。

「じゃあ、がんばろっか。」

私は笑って言った。

/ 662ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp