第6章 偉人のまねをしてみましょう
「いいえ。そもそも写輪眼には二種類あるのを知っていますか?」
私が昨日描いたプラカードを掲げると、どよめきと共に人が後退る。
ただの絵だってば。
「こっちが一般的な写輪眼です。こっちが万華鏡写輪眼の一例です。」
「何が違うの?」
「すみませんが、私も開眼している訳ではないので、詳しくは分かりません。ですが、写輪眼を更に開眼させたものが万華鏡写輪眼であり、開眼するにはそれ相応の実力が必要です。つまり、うちはの中でも更に才能があった者しか開眼できません。
更に、九尾を操るには万華鏡写輪眼か、それと同程度の写輪眼が必要となります。そして、万華鏡写輪眼を開眼しているものはうちは一族の中では現在二人しかいません。」
万華鏡を開眼してる奴がいるのか、と驚く人がいる一方で、それだけしかいないのか、と拍子抜けだと言わんばかりに肩を竦める者があった。
「一人は現在10歳であり、未熟な下忍です。年端のいかない子供が果たして九尾を上回る事など出来るでしょうか?私はそうは思いません。
そしてもう一人は族長のうちはフガクさんです。」
「何だ、いるじゃん。可能性がある奴が。」
「いいえ。アリバイがあります。フガクさんはその日、警務部の執務室に居ました。多くの証言も取れています。
そして、万華鏡を開眼したのは九尾事件の後です。
よって、フガクさんには犯行は不可能です。」
「じゃ、誰なんだよ?」
「私は、里外にうちはの生き残りがいると考えます。死んだと思われていた者が実は生きていた。そして、その人が万華鏡写輪眼、或いは写輪眼を使い九尾を操った。そう考えます。」
「やっぱりうちはの一族じゃないか。」
「そうですね。ですが、あなたならどう思いますか?」
話を振られたその人は戸惑う。