第6章 偉人のまねをしてみましょう
そして、放課後。
私は校門のすぐ近くを陣取って荷物を置いた。
やれるかな…。
いや、やると決めた。
やらなきゃ始まらない。
私は大きく息を吸って腹に力を入れた。
「今日は皆さんに聞いてもらいたい事があります!!」
叫ぶ様に言った私の言葉に、通りかかった人が驚いて振り向いた。
が、そのまますぐに通り過ぎてしまう。
「うちは一族が九尾事件に関わっている、という噂がある事はみんな知っていると思いますが、私は”木の葉の里にいるうちは一族”は無関係であると主張します!!」
この言葉が聞こえた人は、大体の人が眉を顰めた。
ひそひそ、と内緒話をする人もひらほら見える。
ずきりと胸が痛むけど、これは覚悟の上だ。
「九尾は、今まで人柱力に封じられてきました!それを引き摺り出した人がいます!それがうちは一族であるという疑念を私達は持たれています!
ですが、そもそも写輪眼はそんなに万能なものでしょうか?私は違うと思います!
今日は、九尾がどの様に引き摺り出されたかの予測を纏めてきました!」
私がビラを掲げながら言うと、興味を引いた人がいたらしい。
手前に置いてあった段ボールを覗いてビラを一枚手に取っていく。
人もぽつりぽつりと集まり出した。
「九尾を引き摺り出すには、まず人柱力を弱らせてその人の精神の中に入り込みます。そして、封印がかけられた九尾に写輪眼で幻術をかけます。そしてそのまま九尾を人柱力の体から無理矢理引き摺り出します。これが私の仮説です。」
「何だ、やっぱりうちはじゃないか。」
手前にいた人がぼそりと呟く。
私は内心ムッとしたが、押し留めた。
話はこれからだ。