第6章 偉人のまねをしてみましょう
「…お言葉ですが、何故そう言い切れるのでしょうか?私と同じ事を誰かがやった事あるのですか?」
「やろうがやるまいが結果は同じだ!」
「里の連中が聞く訳がない!」
「どうして?」
私の間髪入れない問いに、二人は益々般若の如く顔を歪めていった。
「今までがそうだったからだ!」
「子供が大人の言う事を聞けないと言うのか!?」
「止めないか。」
二人の剣幕にフガクさんが割って入ってくれた。
「私達も警務部隊として働いている最中、里から何かを疑われたりする事は儘あってな。その度に声を上げてきたが黙殺される事が殆どだった。」
「そうですか…。」
やっぱり小競り合いは絶えずあったんだな…。
「君の時も同じ結果となるだろう。やるだけ無駄だと私は思うが?」
フガクさんはレポートを私に返しながら硬い声音で言った。
厳しい意見に思わず挫けそうになった。
だけど、ここで諦めたら後悔する。