第6章 偉人のまねをしてみましょう
「…だったら何だ?」
ヤシロさんが射殺す様な目付きで私を見下ろすが、私は構わず続ける。
「ならば、フガクさんは九尾事件には関わりたくても関われない。ですよね?」
「当たり前だろう!」
「失礼だぞ!それにそれがお前に何の関わりがあると言うんだ。」
ヤシロさんとイナビさんが怒りの形相で私を詰る。
まぁ、お怒りはごもっとも。
失礼だけど、確認はどうしても必要だ。
「失礼しました。でも、どうしても確認をしておきたかったんです。」
私は、写輪眼に纏わる事や、九尾事件の聞き込みから得た情報を元に立てた仮説を纏めたレポートをフガクさんに差し出した。
フガクさんはそれを黙って読み始めた。
「私は呼びかけをしたいと思っています。
写輪眼についてのあらましと、九尾なんてとんでもないものを操るのが、うちはにとっても如何に困難なものか。
それをアカデミーで放課後やろうと思っています。」
「言ってどうするのだ。そんなもの何の役にも立ちはしない!」
「誰も聞きはしない!悪戯に我らの秘術を外に漏らすだけだろう!」
ヤシロさんとイナビさんは熱り立って私に詰め寄った。
けど、前世での日本を知ってる私からすれば、その考えは早計だと断言できる。