第6章 偉人のまねをしてみましょう
「失礼します。」
案内された部屋に通されると、そこにはフガクさんの他に腹心のヤシロさんとイナビさんもいた。
…すっごい怪訝な目で見られてる。
まぁ、当たり前か。
パタンと障子が閉まる音と共に、フガクさんが近くへ来て座るように促した。
「お聞きしているかと思いますが、今日はお願いがあって来ました。」
私はそう切り出して、アカデミーでの事を話し始めた。
イタチが言われていた事だが、私が言われていた事の様に話した。
何となくイタチが言われていたとは言いづらかった。
イタチも一々言ってないだろうしね。
「やはり、里の連中は我らを愚弄している!」
「隊長!やはりもう我慢なりません!」
ヤシロさんとイナビさんはおっそろしい顔でフガクさんに詰め寄るが、フガクさんは黙ったままだった。
多分、クーデターの事言ってるんだろうな。
うわ…、この空気で切り出すのか…。
「そこで、ですが。私は私の出来る事をしたいと思います。」
うぅ…。
駄目って言われるかな…。
「九尾を引き摺り出す方法を私なりに少し調べましたが、それに必要なのは万華鏡写輪眼に近い写輪眼が必要との事でした。」
そこで言葉を切りフガクさんを見ると、僅かに眉を顰めて私を見返した。
私は合ってるんだろう、と判断する。
「今、万華鏡写輪眼を開眼しているのは、私の兄とフガクさんだけと聞きました。フガクさんは九尾事件の後開眼されたのですよね?」
「…そうだ。」
「それと、フガクさんの九尾事件当日の行動を確認させてもらいました。フガクさんは事件があった日の夕方近くの昼から夜にかけて警務部隊の執務室にいた事は間違いありませんね?」
これは、直接刑務部隊に足を運んで得て来た情報だ。
「そうだ。」
フガクさんは少し眉を顰めた。