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【R18】愛と祝福を【金カム】

第1章 キス/尾形・現パロ※




彼が風呂場から出て来る前に
待ち切れずにフライングの
缶チューハイを開ける


もう随分と飲んでいるが
私は酔ってからが長いんだ


ソファに腰掛け
スマホを弄りながら
酒を煽る


しばらくして
彼が風呂から上がり
バスタオルで頭をがしがしと
拭きながらこちらへ歩み寄る


オールバッグだった髪が下ろされて
また雰囲気が変わり
一瞬、別人かと思った


少し可愛いだなんて
思ってしまった私は
多分相当酔っている


交代でシャワーを浴びようと
立ち上がった瞬間
ぐにゃっと視界が歪み
バランス感覚と言うものが
自分の中から消えてしまったかの様に
床目掛けて倒れそうになり
思わず目を瞑った


「おいっ…」


だが、どこも痛く無かったのは
彼が私の体を受け止めてくれたからだ


床には私の代わりに
彼に貸してあげたバスタオルが
落ちていた


『…ははっ、ありがとう…
結構酔っちゃったみたい』


気付けば物凄く視界が狭い


顔を上げると
視界いっぱいに広がった彼の顔


息が掛かる距離


時間が止まったかの様な
錯覚を感じたのは
二人を包む空気が一瞬にして
変わったからだろうか


形の良い唇に
思わず吸い付きそうになる衝動


「なんだよ…セックスは
しないんじゃないのか?」


ニヤッと口角を上げて笑う彼


少し深く息を吸って
元の空気を自ら取り戻す


『…しませんよ、ちょっと
キスでもしてやろうかと
気の迷いを起こしただけですー」


と、体を離しながら言い
彼の唇を人差し指で
ふにっと触った


柔らかい…


彼はまた目を丸くしている


『あははっ…かーわい』


体を硬直させたままの彼は
唇に伸ばした方の手首を掴む


彼は何も言わず
じっと私を見つめる


掴まれていない方の手を
彼の頭に伸ばしそのまま触れた


『そんなにキスしたかった?』




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