第1章 俺の嫌いなモノ
幸希side
「こう...き...くんっ//」
「はぁ...くっ//」
寸前の所で我に返り、ソイツを自分から引き離した。
お互い呼吸数と心拍数が高くなり部屋には2人の呼吸音のみが響く。
こんなの初めての感覚だ。
やっぱり俺とコイツはそういう関係だからなのか...
「はぁ...はぁ...出てけ...//」
「え...?...//」
くそ...早くこいつから離れないと...
「はやく...出てけ!!!///」
俺はそのままベッドの上にあった枕をソイツに投げた。
ちょうど顔に当たってしまい、俺自身ハッとしてしまう。
「うっ...ごめ...ごめんなさ...//」
それでも中々立ち上がらずにビクビクと震えている。
その姿を見て何故か鼓動が速まる。
違う...これは...こんなの...
「っ!!!幸希!!何してるの!?!?」
遥がソイツを守るように前に出てきた。
怒ってる。
遥が怒るのは珍しい。
1度遥に殴られた時は確か親父に酷いこと言ってしまった時だったな...
あれは確かに俺も悪かった。
けど、アイツのした事はまだ許さない。
「遥...ちがう...俺...」
「千尋くん、大丈夫?薬が効いてない...?」
「遥さん...ごめんなさ...何故か効かなくて...うっ//」
「謝らなくていいよ。...僕の部屋に行こう。」
遥が千尋という名前のソイツを連れて部屋から出ていく。
「遥...ごめん...」
「幸希...頭冷やして。落ち着いたら僕のところに来て。」
「...わかった。」
俺は頷くことしか出来ず、2人の姿が見えなくなるのを見送るしかできなかった。