第1章 俺の嫌いなモノ
幸希side
「ただいまー。」
家に帰りつくといつものように遥が「おかえり。」と出迎えてくれる。
晩御飯を作っていたのだろう。
エプロン姿でキッチンからは良い香りが漂ってきている。
リビングに入るとまだ親父は帰ってきていなかった。
この時間にいないのは珍しい。
いつもなら遥にくっ付いて晩御飯を作る邪魔をしている。
「俺部屋にいるから。」
「わかった。出来たら呼ぶから。」
重い足を1歩1歩踏み出して階段を登る。
ただ授業を聞いていただけなのに何故こんなにも学校というものは疲れるのか。
早く大人になりたい。
そんなことを思いながら部屋の扉を開ける。
一気に漂うΩの匂い。
「うっ...」
慌てて息を止める。
ベッドの上を確認するとさっきのΩがいた。
「っ!?おい!なんでここにまだいんだよ!!早く帰れ!!」
「ん...っ!さっきの...っ!//」
俺も抑制剤が切れてる。
何とかしないと飲み込まれる...
俺はそいつの腕を掴み部屋から追い出そうとするが、力が入らなかった。
これがΩのフェロモン...まだヒート切れてなかったのか?
「うっ...てめぇ薬飲んでねぇのかよ...」
「飲んでますっ...でも何故かっ...効いてないっ//」
俺は欲を抑えられなくなり、押し倒してしまった。
こんなことしたくねぇのにっ...
「んっ///」
「くっ...//」
「っ//ボクを...犯してください...//」
コイツ正気を失ってる...
首に絡めた腕を離そうとしない。
「だめだっ離せっ//」
俺の身体も我慢できなくなっていた。
興奮しているのがわかる。
「くっ...//」
俺はソイツの唇に自分のも重ねようと首の角度を少し変える。
あと数ミリ...
この数ミリで俺は...