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【R18】運命なんて大嫌いだ

第2章 距離


幸希side

「ただいま。」

「おかえりー。あれ、千尋くんは?」

「体調悪そうだったから送ってきた。」

千尋はあれから元気がない。
元々周りからの目は気になっていたが、あんな風に直接声を聞くとなると余計に実感する。
後で連絡でも入れておくか。

「あ、そうだ、遥。最近体の具合とか変わりないの?」

「へ!?どうして!?//」

なんで顔赤くなっているんだ?

「いや、ヒート期来てないなって。別に何ともないならいいけど。」

「だ、大丈夫だよ!元気元気!//」

そう言って台所へ戻って行った。
遥の様子に疑問を持ちながら俺もリビングへ向かう。

「おかえり、幸希。」

リビングに入ると聞き覚えのある声がした。
この低くて安心する声は……

「叔父さん!」

叔父さんが柔らかい笑顔で手を振ってくれる。
かっこいい……
見てるだけでドキドキしてしまう。
俺は鞄を適当に置き、叔父さんの元へ駆け寄る。

「なんで居るの?」

「一緒にご飯食べようって思って。例の恋人は今日いないのか?」

「あ……うん……知ってたんだ。」

「遥から聞いた。よかったな。」

「……うん。」

叔父さんには知られたくなかった。
そもそも伝えるつもりもなかった。
折角会えたのに気持ちが沈む。

「幸希?どうかしたか?」

「……ううん。あ、そうだ。そのΩのやつが、そろそろヒート期で……叔父さんならどうしてあげる?」

「うーん……俺なら仕事の休みを取って家事全般は俺がするかな。あとは寄り添って身の回りの事を手伝ったり。ヒート期のΩはαの匂いが付いた物を集めて巣作りをするから服とかを渡したり。あとは抑制剤も忘れないように飲ませることかな。俺の場合は遥に坂間さんの物を渡してたけど。」

叔父さんかっこよすぎる。
それをして貰えるΩが羨ましい。
俺もΩだったらそんなことして貰えたのかな。

「……もし、俺がΩだったら叔父さんはそれしてくれんの?」

「え?うーん……幸希は甥っ子だし……そこまでは干渉しないかな。遥も俺とか坂間さんには幸希に近づかないように言うだろうし。」

甥っ子……そうだよな……
改めて叔父さんとの関係を痛感する。
そもそも何で俺はαに産まれてしまったんだろう。
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