第10章 奇襲
急いで屋敷に戻る宿儺だが、宿儺を追い越すように呪霊達が屋敷の方へ飛んで行くのが見えた。
宿儺は舌打ちをし、その場で呪霊を祓う事も考えたが屋敷には呪術師達が居る事を考えると裏梅の加勢に加わった方が良いと考え帰路を急いだ。
宿儺が屋敷につくと、裏梅が呪術師と応戦し、あすか が呪霊と応戦している状況だった。
宿「よく耐えた」
裏梅と あすか にそう言い、宿儺は2人に あすか の結界内に入るように告げ、領域展開を繰り出した。
半径200m圏内の呪術師や呪霊は一掃されたが、呪霊は まだ沸いて出てくる。
長期戦で宿儺の領域展開を発動し続けると あすか の結界強度がもたない。
宿儺は領域展開を解いた後、沸いて出てくる呪霊たちに捌をぶつけ、しらみ潰しに呪霊たちを祓った。
宿「裏梅、動けるようなら あすか たちを連れて屋敷を出ろ」
「はい。あすか さま行きましょう」
裏梅の促しに、あすか は悠を抱き結界を解いた。
その時。
複数の呪力を帯びた弓が、裏梅たちを襲った。
裏梅はすぐに反転術式で自己再生したが、あすか に抱かれた悠の脇腹に弓が刺さり、白い着物は赤く染まりはじめた。
痛みのため聞いた事の無い泣き声で泣き出す我が子に、あすか は取り乱し、その場で急いで反転術式を行うが、小さい体のため弓は臓器に達しており致命傷だった。
『悠!』
蒼に自分の呪力を与えながら、悠の反転術式を行う あすか 。
あすか の前に立ち、呪術師や呪霊の攻撃を防ぐ裏梅。