第8章 契り
しかし、あすか の眠気は その日だけではなく、それ以降も続いた。
『宿儺さま…、御婆さまの所に行ってきます』
あすか は眠気の取れない自分自身の体の事を心配し、宿儺にそう言った。
宿「そうだな。呪力が落ちているワケでも無いのに眠気が抜けないのは おかしいな、俺も付いて行くから安心しろ」
宿儺は いつものように あすか の頭を撫でた。
☆ ☆ ☆
老婆の屋敷に着くと、呪霊憑きの少女が遊びに来ていた。
「あ、宿儺さま、あすか さん いらっしゃい♪」
にこり、と笑い2人に お茶を出してくれる少女。
「呼んでもいないのに、お前たちから来るなんて珍しいね。
どうしたんだい?」
老婆は お茶をすすりながら、ケヒヒヒ、と笑った。
宿「ここ最近 あすか の眠気が取れん。たぶん今も眠いと思う」
宿儺の隣に座る あすか を見ると、あすか はコクンと頷いた。
「眠気が取れない以外、何か体調に変化は無いかい?」
『特に自覚はありません。眠気だけです。
今まで以上に寝ているのに眠ってしまうのです。』
「宿儺、お前 あすか をこき使っているんじゃないだろうな」
宿儺を睨む老婆に、あすか は『そんな事ないですよ』と慌てて伝えた。
「ふむ…、寝ても寝たりないのか
呪力は減っておらんな………ん?」
あすか を視た老婆は少しして笑った。
「あすか 、月ものは来ているかい?」
『そう言えば まだ来てないかな?』
思い出すように答える あすか に、少女は「なになに?」と話に入ってきた。