第6章 呪霊憑き
老婆との訓練は何日も続き、高い集中力を求められた。
もともと宿儺との訓練で呪力を精密に練る事ができた あすか だか、その呪力に別の呪力を乗せて1つに まとめると言うのは難しかった。
どちらかの呪力が弱くなってしまい、呪力が消失してしまうのだ。
「悪くは無いんだがねぇ、慣れるまでは難しいさ。気にするな」
老婆は そう言った。
「宿儺の時は もっと時間がかかったからな」
ケヒヒヒ、と笑う老婆。
『どうして できないのかなぁ…』
自信を無くしていると、台所の方から いい匂いがしてきた。
宿「そろそろ飯にしたら どぅだ」
宿儺が2人に声をかけた。
「そぅさね、あすか 食事にしよう
腹を満たせば また違う感覚も掴めるかも知れんしな」
老婆と共に部屋に入り、宿儺の作ったご飯を食べた。
『おいし~♪』
先程まで落ち込んでいた あすか に お味噌汁を差し出した宿儺の優しい視線に気付いた老婆は、宿儺に声をかけた。
「宿儺、お前いつから他人と馴れ合うようになったんだい?
そんな表情するなんてなぁ」
宿「他人となぞ馴れ合って おらんわ
あすか だけだ」
そう言う宿儺に、あすか は『宿儺さまは優しい人ですよ』と老婆に言った。
『ご飯も作れなかった私に、ご飯の作り方を教えてくれたり。
初めて逢った時も、私にきっかけを作ってくれた。
そして今は こうして呪術を教えてくれて、本当に優しいと思います』