第5章 実戦
宿「お前は自分が置かれている状況が分かっていないようだなぁ…
結界を小さくしていっても良いのだぞ」
そう言い、宿儺はヘビの入っている結界を一回り小さくした。
宿「このまま小さくしていったら どぅなるか……」
クックックッ、と肩を揺らしながら宿儺は また結界を小さくしようとした。
『宿儺さまダメ!
そんな事をしたら姫さまと同じになっちゃう!』
あすか は宿儺にそう言い、続けた。
『助けてくれて ありがとうございます。
でも、このヘビを祓うのは私に任せてくれるなら、私に最後までさせて欲しいの』
宿儺は あすか を見、「…分かった」と言い、ヘビへの攻撃を止めた。
『土地神さま、姫さまへの呪いを解いて下さい。
でなければ、私は貴方をもう一度殺さなくてはならない。
私は誰も苦しまない世を作りたい』
あすか は真っ直ぐ ヘビを見つめ、そう伝えた。
「………夢見事を……
主(ぬし)は甘いな…」
ヘビは呆れたような声で そう言ったが、その声色は優しさを感じた。
そして、ヘビは 姫の呪いを解いた。
「…良いか、勘違いするな
もう一度、この女が何かを殺した時…
その時は猶予を与えず すぐ呪い殺す
この女に伝えておけ」
『分かった、ありがとう
宿儺さま、結界を解いてあげて』
渋々、ヘビを囲っていた結界を解いてやると、あすか はヘビの額を撫でた。
『痛い思いをさせて ごめんね
傷ついちゃったね』
あすか はヘビの額を反転術式で治した。