第5章 実戦
宿「あの女に憑いてるヘビは土地神かもしれない、と言ってあっただろ」
神仏とは異なるが土地神も「神」と言われるだけあり、呪力が強い。
それに、狐ほどではないがヘビは人を操る事ができる。
姫は すでにヘビに操られている状態だ、
と宿儺は言った。
宿「奴に何を言われたかは知らんが、惑わされるな
お前は俺だけ信じろ」
あすか を真っ直ぐ見つめ、宿儺は言った。
『はい』
姫を操っている白ヘビから距離を取り、宿儺は あすか に言った。
宿「良いか、ヘビは巻き付いてきたら厄介だ
式神を使ってヘビの動きを止めてから祓うんだ」
『分かった』
返事をし、あすか は呪力で練った式神を出現させた。
『式、姫の足元へ攻撃を集中させて白ヘビを姫から引き離して欲しいの』
式と呼ばれた式神は頷いた。
『私は白ヘビが姫から離れたら結界に閉じ込める』
あすか と式神は姫の居る部屋に入り、式神の攻撃が始まった。
「巫女さま、貴女は戦わないの??」
歩けない、と言った姫が ゆらり と立ち上がり
「…そんなにこの女(姫)が大事か?」
姫とは違う声が あすか に問いかけた。
『目の前で苦しんでる人が居たら助けたい』
式神はヘビに攻撃をしているが、ぐにゃぐにゃ と動くヘビを仕留めるのは難しいようだ。
ヘビは姫の足元から、全身に絡み付きながら上がってきた。
「この女は俺をなぶり殺した…
それなのに そんな奴を助けると言うのか?」