第4章 新天地
翌日から宿儺は あすか の訓練を開始した。
宿「まずは、あすか ができる術式を見せてみろ」
宿儺に言われ、あすか は宿儺と初めて逢った時に使っていた人形(ひとがた)の紙を取り出し、式神を作り出した。
宿「………」
顎に手をあて、あすかの呪力と式神を見る宿儺。
宿「…式神の作り方は人形の紙でしか やった事はないのか?
呪力を練って塊として表出する事は できないか?」
『人形でしかやった事が無いから分からないけど、呪力でそんな事もできるの??』
あすか の問いに、宿儺は自分の呪力を練って弓を作った。
宿「俺の場合は人の形にするのが苦手だから、弓や刀の形にしているが、あすか の場合は もともと人形でやっていたなら、人の形を想像して作った方が良いかもな。
まずは平べったくて良い。紙ではなく、呪力で式神を作ってみろ。紙の式神は弱い」
そう言って、宿儺は あすか が作った紙の式神を ボッ と燃やした。
宿「今みたいに燃やされたら、式神に込めていた呪力は消失する。紙の式神は自分(式神)自身を守る事が出来ないからな」
『なるほど…。もし、私が自分の呪力で式神を作る事ができたら、燃やされる事はない??』
宿「あすか の込める呪力によるな。精密な呪力を込めれば自分で判断して攻撃や防御をする事もできるが、簡単な呪力しか込めなければ、人の形をしているだけの人形(にんぎょう)と同じだな」