第4章 新天地
宿「いただきます」
あすか が食べ始めたのを確認し、宿儺も食事を始めた。
『ん~、どれも美味しい♪』
あすか の表情を見、宿儺は満足そうに笑った。
『どぅして何でもできるの?』
あすか は宿儺に聞いた。
宿「するしかなかったからな。
汚い環境は嫌いだ。
食事は呪いの仕事を請け負うようになったら 色々な食べ物を口にするようになったからな。
見よう見まねで作っているだけだ」
『器用なのね』
そう言い、宿儺を見ると食事の食べ方も綺麗だった。
『貴方は、元は高貴な生まれなの?』
箸を止め、自分に問いかける あすか に宿儺は鼻を鳴らした。
宿「俺が高貴? 可笑しな事を言う奴だ」
クックックッ、と肩まで揺らして笑っている。
宿「あすか は その所作はどぅやって習った?」
宿儺に聞かれ、あすか は『巫女として育てられた時、町のみんなに』と答えた。
宿「俺もそんなようなところだ。
子どもの頃は周りに大人が多かった。
所作は その時に身につけた」
少しだけ自分の過去を教えてくれた宿儺は、食事を再開し「冷めるぞ、早く食え」と、あすか の食事を促した。
『私、呪術について ちゃんと教わった事はないの。
だから、貴方が教えてくれると言った時、とても嬉しかった。
機会を与えてくれて ありがとう。
本当に感謝している』
それだけ伝え、あすか も食事を再開した。
食事を食べ終えた あすか は『洗い物くらいさせて』と言い、宿儺からお皿を回収した。