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過去⏩️今 ~記憶の物語~[呪術廻戦]

第16章 少年院


ぽつり、と話し出した伏黒の言葉に あすか は静かに相槌を打って聞いた。

「…そこで虎杖は死にました…」

『?!』

「正確には、宿儺に殺された、んです…」

自分の両手に視線を落としながら伏黒は言った。

『…そんな………』

黙り込む伏黒に、あすか は言葉が出なかった。

「宿儺の目的は分からない…。でも、あすか さんには伝えなきゃと思ったんだ…」

ごめん…、伏黒は あすか に謝った。

『…恵が謝る事じゃないよ。
宿儺さまが悠仁を………。
悠仁は強いね』

あすか は くしゃ とした笑顔で言った。

『たとえ自分が死のうとも、ちゃんと恵を守ったんだね。
恵は良い友達をもったね』

「…はい」

沈黙に耐えられず、伏黒は「じゃあ、俺そろそろ」と言って地下室を出て行った。

『また 遊びに来てね』

あすか は明るく振る舞い、伏黒を送り出した。


『……………』

ソファに座り、伏黒の言葉を思い出す あすか。
いつの間にか蒼が隣で とぐろを巻いていた。

『…何で悠仁を殺したのかな………』

「アイツの考える事など俺には分からぬ」

あすか は俯いたまま。
宿儺の近くに居られる、それだけで あすか は幸せそうだった。
宿儺の器である虎杖が死んだのであれば宿儺は居ないも同然。
落ち込む あすか を見ていられず、蒼は あすか に声をかけた。

「宿儺の呪力はまだ近くにある。死んではいない。あすか が逢いたいと願うのであれば、俺が案内してやる」

『そんな事できるの?』
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