第16章 少年院
「信じられるか!」
虎杖の言葉に宿儺は【縛り】について、虎杖に腰かけたまま説明した。
「…………。分かった、退いてくれ。条件を呑む」
生き返るためだしな、と呟きながら軽くなった体を起こす虎杖。
バキィッ!!
虎杖は油断していた宿儺の顔面を殴り付けた。
「なんて言うわけねぇだろ!
無条件で生き返らせろ! そもそもテメェのせいで死んでんだよ!」
宿「…」
怒りに顔を伏せたまま、宿儺は低く「では こうしよう」と提案した。
宿「今から殺し合って、小僧が勝ったら無条件で。俺が勝ったら俺の縛りで生き返る」
「" いいぜ " ボコにーーー」
虎杖が宿儺の条件に承諾し、言葉を言い切る前に キンッ と無機質な音が響き、虎杖の顔は真っ二つになった。
宿「…クソ餓鬼が」
米噛みに青筋を立て、宿儺は ゴロンと転がったソレを見下ろした。
☆ ☆ ☆
コンコン…。
控えめにノックする音が地下室の扉に響く。
ガチャ、と あすか が扉を開けると伏黒が立っていた。
『恵? どぅしたの? 珍しいね』
どうぞ、と伏黒を招き入れる あすか 。
伏黒は あすか の前のソファに腰掛けると、あすか は『どうしたの?』と聞いた。
『呪力が乱れてるよ?』
「……」
話し出すきっかけを見つけられず、伏黒は視線を反らした。
『傷、大丈夫? 派手にやられたね。任務?』
傷だらけの伏黒の顔を見て あすか は伏黒の言葉を促した。
「…1年で、任務が入ったんです」