第16章 少年院
「俺、頭撫でられた事なんて ほとんどないから なんか恥ずかしいんだけど//」
顔を赤くしながら虎杖は言った。
「あすか さん、頭撫でるの癖だと思う。俺もよく撫でられた」
伏黒がそう言うと、五条は「僕も学生の時、撫でられたなぁ」と言った。
『みんな私からしたら子どもだもの』
ふふ、と あすか は笑った。
虎杖は撫でられた あすか の温もりに何故だか、母親ってこんな感じなのかな、と心が ぽかぽかした。
☆ ☆ ☆
宿「我々はともに特級という等級に分類されるそうだ。俺と虫(お前)がだぞ?」
四肢を切断し壁に埋め込まれた呪霊を見上げ、宿儺は呆れたように言った。
呪霊は壁から抜け出し、四肢を再生すると ニヤリ と口角を上げた。
宿「嬉しそうだなぁ? 褒めてやろうか? だが」
宿儺は見下した態度を崩さず呪霊に続けた。
宿「呪力による治癒は人間と違い呪霊にとって そう難しいことではないぞ?
お前も小僧も呪いのなんたるかをまるで分かっていないな。
いい機会だ、教えてやる。本物の呪術というものを」
宿儺は両手で印を作ると領域を展開した。
宿「伏魔御厨子(ふくまみづし)」
低く響く宿儺の声により、辺りが暗くなったかと思うと宿儺の背後には立派な殿堂が現れ、無数の骨が山積みになっていた。
キンー……
呪霊は殿堂が現れると同時に体はバラバラになった。
宿「3枚におろしたつもりだったんだが…、やはり弱いな お前」
宿儺は呆れながら呪霊の胸に空いた穴に指を入れた。
宿「そうそう、それから これ(俺の指)は貰って行くぞ」
宿儺の指を抜かれた呪霊の体は ボゥ… と炎に包まれ消失した。
宿「終わったぞ。…不愉快だ、代わるのなら さっさと代われ!」
宿儺は虎杖に言うが、中の虎杖が出てくる様子が無い事に宿儺はケヒッと黒く笑った。