第16章 少年院
その頃、虎杖は呪霊と対峙していた。
⦅ いくら殴っても効きやしねぇ。
…そりゃそうか。呪力の使い方なんて まるで分かんねぇしな…。でも、今はそれで良い。時間を稼… ⦆
考えていると呪霊が攻撃を始め、虎杖は吹き飛ばされた。
⦅ ?! 何だ今の! 呪力のバリア?! ⦆
状況を把握しようと目を開くと、すぐそこには両手に呪力を集め、ニヤリと笑う呪霊がいた。
「!?」
防御する間も無く虎杖は呪霊の攻撃をくらい、一瞬気を失った。
その様子を呪霊は体をくねらせながら喜んだ。
ハッと意識を取り戻した虎杖だが、呪霊は先程よりも強力な呪力でバリアを放った。
虎杖はとっさに両手を付き出し、防御の姿勢を取るが、脆くも右手の指が呪霊の呪力によってボロボロになっていく。
激痛に耐える虎杖だが、虚(むな)しくも呪霊のバリアは迫り来る。
⦅ ぅう"う"う"……。
………痛い…痛い痛い… ⦆
一度痛みを感じてしまえば、その苦痛に耐える事は難しく、虎杖の心は悲鳴をあげていた。
⦅ 痛い痛い痛い痛い…
辛い辛い辛い辛い辛い…
何で俺が………… ⦆
考え出したらキリがない。