第15章 新入生
待ち合わせ場所につき、3人目の同級生と合流すると、それぞれ自己紹介をし、3人目の同級生は茶髪がよく似合う釘崎野薔薇と言う女の子だった。
そして五条から「行くでしょ? 東京観光」と言われ、地方出身の虎杖と釘崎は喜んでついてきたが、五条の性格を知っている伏黒は疑いの表情をしたまま五条たちの後をついて行った。
☆ ☆ ☆
「居ますね、呪い」
廃ビルを視ながら伏黒が言うと、虎杖も釘崎も「嘘つきー!」と五条に激怒していた。
新入生2人だけで無事に呪いを祓い終え、五条の奢りで夕飯を食べて高専に戻ってきた4人。
「じゃあ皆、明日も遅刻せずにね♪」
それぞれ寮に戻る1年を見送ると、白衣をなびかせる家入が目に入った。
「硝子」
少し離れて居たが、五条が声をかけると家入が振り返って足を止めた。
「珍しいね、硝子がこんな所に居るの」
家入の近くに行ってそう話せば、家入は「まぁね」と言って歩き始めた。
「あすか さんに呼ばれたんだよ」
「あすか に?」
家入はポケットに手を入れたまま続けた。
「新入生の中に宿儺の器が居ただろう?
誰も宿儺の呪肉について あすか さんに話をしていないはずなのに、"高専の中を調べたい" と言われたんだ」
「……学長は その事 知ってるの?」
五条は静かに聞いた。
「あぁ。学長からは駄目だと言われた。
……あすか さんの "宿儺に逢いたい" と言う願いを叶えてやりたかったけどね」