第14章 はじまり
暇潰しも終わり、次は何をしようかと考えようとした宿儺の耳に声が聞こえた。
「7…、8…、9…」
宿「?!」
宿儺の目の前には何故か無傷の五条の姿があった。
「そろそろかな?」
五条は宿儺を見ながら そう言うと
ドクンー…
宿儺の刺青が スゥ… と薄くなっていく。
宿 ⦅ クソ! まただ! 乗っ取れない!!
この虎杖とかいう小僧、一体何者だ… ⦆
遠退く意識の中、宿儺は虎杖に抑え込まれた。
「おっ…、大丈夫だった?」
刺青の消えた虎杖は きょとん としながら五条に聞いた。
「いや~、驚いた。ホントに制御できてるよ♪」
五条の周りから地面に向かって ゆっくり落ちていた瓦礫が急に ドドッ とその場に落ちた。
「でも ちょっと うるせぇんだよなぁ」
ガンガン、と自分の頭を叩く虎杖に、「それで済んでるのが奇跡だよ」と言いながら近づくと、五条は虎杖の額を トン と指で差した。
ガクン と体を崩す虎杖を支える五条に、伏黒は「何したんですか」と聞いた。
「気絶、させたの」
と答え、五条は続けた。
「これで目覚めた時、宿儺に体を奪われていなかったら彼には "器" の可能性がある」
虎杖を肩に担いで五条は伏黒に問いかけた。
「さて、ここでクエスチョン。
彼を どうするべきかな?」
「…仮に器だとしても、呪術規定にのっとれば虎杖は処刑対象です。
でも…、死なせたくありません!」
五条を真っ直ぐ見て答える伏黒。
「…私情?」